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+++2008+++
+++10/15+++


「〜は〜であり〜である」


世の中には定義と呼ばれるものが在る。
何かにつけ其れは判断基準になり、安心する為の材料となる。
同時に本質を見落としかねない危険な思い込みにもなる。
例えば、松坂牛が美味いと思っていて、松坂牛を扱っている店で食事しても、
味というものは調理次第で大きく変化する。
でもなければ、産地偽装の可能性もある。
「松坂牛=美味い」
こいつは人生の中の何処かで、脳に刷り込まれる定義だ。
もし、経験によって刷り込まれるならば、それでいい。
例え松坂牛と間違えて米沢牛を喰って美味かったでも、
美味い牛が喰えたんならそれで良しとしとこう。
本当に危険なのは、知識によって刷り込まれている場合。
TVか雑誌かインターネットか人伝か情報の元は、置いておいて。
他人の主観が己の主観に摺り替えられ易いのが知識だ。
情報の元がなんであれ、興味を持ってか信じ込んで、
松坂牛を喰ってみたら不味い。
そんな場合に何を思うだろう。
自分の好みには合わなかった?調理の仕方、味付けが悪い?
産地偽装?店員がオーダーを間違えた?
可能性を考えて経験とするのは、まったくもってマトモな思考だ。
だが、たまにこう考える人がいる。

「騙された」

誰に?松坂牛に?
そりゃあないだろう。牛はなんにも悪くねぇよ。
キロ何万円とかで取り引きされたって、牛には一銭も入って来ない。
産地偽装とか言われても、牛にとっちゃ何の事だか解りゃしない。
牛を責めるのはやめとこう。

じゃあ、調理した奴が悪いとしてみよう。
悪いとするからには、その味付けを万人が不味いと認めなくちゃいけない。
調査の為にその店で働きながら、不味くて客が来なくなり、
店が潰れるか行く末を見届けてみよう。
同時にオーダーミスがどの程度あるのかも調べられるし、
店が本当に松坂牛を使用しているかも判るだろう。
でも、ッタルいよね。

ならば仕方がない。他でも松坂牛を喰いまくってみよう。
始めに喰った店が悪いかどうかも判るし、
松坂牛が自分に合ってるか否か確認する事が出来る。
三年間も毎日三食松坂牛を喰い続ければ、
松坂牛と米沢牛の違いが肉を見ただけで判るようになるんじゃなかろうか。
けど、そんなに金持ってる?
持ってるなら少し分けてくんないかな、俺に。

そんじゃあ、最後に情報が悪いとしてみよう。
情報が悪とするからには情報の発信元が悪いという事になる。
その情報の発信元は、わざと不味い松坂牛を喰わせようとしているのだろうか?
情報によって不味いものに金を払わせ不快な気持ちにさせようと?
でもなくば松坂牛と偽って安い肉を喰わせて金を儲けようと?
じゃなかったら情報発信者も騙されて情報を発信しているのか?
確かに、ね。そうかもしれない。

でも、さぁ。
その情報を信じ込んだのは誰なの?
参考情報で留めずに信じ込んで喰いにいったのは?
他人の主観で発信されている情報だという事を理解していないのは誰?
情報や店や牛に騙される前に自分に騙されてない?

よ〜するに。思い込みと定義の話だ。
創る事を生業とし、ブランドや店を動かして雑誌の仕事なんかしてると、
たま〜に聞く事がある、俺。
曰く「雑誌はウソばっかり書いてある」
曰く「虚飾で騙そうとしてる」
スゲー定義だな。
と、思った後に必ず思う。
でもって、何か被害にあったの?
まぁ、雑誌にウソの情報や虚飾が存在する事は否定しません。
むしろ何年間も「それってどうなんだよ」って突き付け続けてきましたんで、俺。

ただねぇ。
「雑誌はウソであり騙そうとしているである」
って思い込みと被害妄想の定義には、まるっきり賛成出来ません。
価値観の話には人それぞれの意見があるだろうが、
その中で何を良しとして取り上げるかは情報の発信側に権限がある。
同時に何をどう宣伝するかってのは、広告費を出す奴に権限がある。
それを信じるか、ウソだと言い切るか、確認しに行くかは自分次第だ。
発信されるのが気に喰わないなら自分で情報を発信してみりゃいい。
それが出来ないなら、雑誌を買うか買わないかの権利だけがある。
それから文句をいうのは、そいつの勝手だ。

問題は発信される情報の内容。
せっまい範囲で情報を収集し、
専門的な知識に乏しい状態で情報を発信してる雑誌もあるって事は確かな話。
認識不足・認識の違い・誤認。
これらによって発信されている情報もあるって考えたら捉えるべきは、
ウソだの虚飾だのじゃなく、間違いって部分だろう。
ファッション誌やシルバーアクセのムックに関して言えば間違いだらけだ。
雑誌は公的な物なので、専門知識で作られているから間違いないと定義し易い。
けれどもそれは思い込みだ。
何度も言っている様に俺が発信しようとしている情報は、
一つの提案であって、其れをどう考えるかは観る人次第って話。

因にこの前発行された「ストリートアクセ NEXT FILE 16」で、
間違いをやりました、俺。
P072 キーホルダーの金額が13万6500円なのに1万3650円になってる。
関係者の皆さんと安いと思って買おうとした方々、ごめんなさい。
どうして間違いが起ったかの原因はどうあれ、
ディレクションしている以上は、反省し今後間違いの無いよう勤めます。

「松坂牛が安く喰える気分になってたのに騙された」
って文句が言いたいなら聞くぜ、俺。



+++10/22+++


成長していく過程で学習し定まる事で形成されるのだと人は言う。
自然界の生物達は生まれながらに生きる術を知っているが、
人は違う生き物なのだと。
理科の問題じゃなくて、道徳の問題だ。
何故かって、文明社会が出来上がってなけりゃあ、
人も「ウッホウッホ、ギャ−ス!!」ってやってりゃいいんだから。
人間たる何ちゃらは、長くなるから脇に避けとこう今回の、俺。
成長過程で学ぶ事。ならばいいんじゃなかろうか自己責任。
成長過程で教育される事。こいつは痛く危険だぜ。
基本的なトコから危険だぜ。

「人に嘘をついてはいけません」

おっお〜、そうだね〜。いけないねぇ〜。嘘は嫌いだね〜、俺。
ネタだったら別に構いません。結果的に嘘になってしまったなら謝りゃいい。
しかし、騙すって行為の良くない部分は皆さん御承知。
はい、次。

「人にお金を借りてはいけません」

はっは〜、そうだね〜。よくないねぇ〜。借金きらいだね〜、俺。
借りるぐらいだったら奢ってもらった方が良くねぇ?
それでも、ついつい借りてしまう人が溢れかえるのは皆さん御存知。
はい、次。

「人を見た目で判断してはいけません」

ほっほ〜、そうだね〜。そうだよねぇ〜。見た目はねぇ〜、俺。
人間なんて頭ん中じゃ何考えてっか解ったモンじゃないしね。
だとしても、第一印象が大事とか言っちまうのは皆さん御存明。
それ、でっ。

上記三項目のな〜にが危険かって、
全て、危険な経験をする前に教育されるんですよ。
言葉の理解の入り口に立ったぐらいから呪文のように教育されるが、
そいつは大きな間違いじゃねぇのか?

「人に嘘をついてはいけません」
って言いますが、敗戦前の教育は嘘ばっかりだったじゃないですか。
歴史の授業の定番、世界の四大文明とかも、
世界の三大ギタリストぐれぇに勝手に決めたっしょ、っしょ?

「人にお金を借りてはいけません」
って言ってる教師とか親が銀行から金借りてローン組んでる。
だいたい国自体が国債発行とか言って借金してんじゃねぇか。
金借りなきゃ社会が回ってないっしょ、っしょ?

「人を見た目で判断してはいけません」
って言うなら髪型や服装の校則違反の存在が解りません。
身だしなみを整えるとか?様式美とか?礼儀作法は?
教育上の正しい学生って、だいたいがとこ見た目の問題っしょ、っしょ?

ん〜、危険だ。
教育が良くないとか、教育の現場にいねぇのに言う気にもあまりならんが、
防止策みてーなクダラネー事を教育するよりも、
性病に罹ったら何処で治療して治療費どんくらいで保険が使えるかとか。
ヘロインの精製が如何に人体に危険かとか必要な薬品の取り扱いとか。
なってからの対処法と根本的な生産術でも教育しとけば?
早い段階で「嘘」を教育して危険にさせるよりも、
早い段階で「危険」を教育して嘘を見抜かせた方がよっぽどましだぜ。

だいたいなぁ、子供は本能的に危険を見た目で判断するっうじゃねぇか。
「人を見た目で判断してはいけません」が崩れ去る瞬間。
教育じゃなくて実体験で理解し教訓としました。
どーゆー事かってぇとだね、俺。

夏ぐれーからチラチラと朝になるとやって来るお子様お一人。
前にも書いたがREFUSE FUCKTORY前の道路は車の通りも少なく、
毎朝でないにしてもスケボーの練習をよくしてる、俺。
子供ってさぁ・・・スケボーとか好きじゃん。
寄って来るんだよね。
寄って来るだけならまだしもリクエストすんだよね。
しかも、その子のツボにハマったのがオーリ−(飛ぶヤツね)らしく、
一回やると

「もーいっかいやってー」

とかヌカしやがんの。
で、もう一回やって失敗してコケると

「あ〜あ、しっぱいしちゃったね」

とか言いやがる。
それが2日にいっぺんぐらいのペースで来やがるから、
おかげで腰が痛くてたまらなくなった、俺。
そんな中で思ったんだよね。
見た目の問題で散々な目に遇ってきた、俺。
それは対大人や社会ってだけじゃなく、
確かに言葉を理解しないぐれーの子供には近寄る素振りだけで泣かれるが、
言葉の理解の入り口に立ったぐれーの子供は俺の見た目を気にしない。
本能的に危険を察知するであろう子供。
が、見た目に危険を感じずに近寄って来るって事は危険じゃねぇんだ、俺。

逆に
単車とかシルバーとか刺青が興味の対象になるのか?

「刺青ライダー・ブラック」ってヒーロー物の番組でもやってんのか?

知ったこっちゃねぇが、
とにかく朝は「人を見た目で判断しない」子供相手にスケボーの日々だった。


夏も終わり。
しばらくスケボーやる時間も無く。
朝の子供も夏休みが終わったのか見掛けなくなった頃。
次の旅の為に気合い入れ。
16年振りのTAXI DRIVERは今も変わらない初期衝動、俺。
ある晴れた土曜の朝。
FUCKTORY前でスケボー。
向うから夏の子供が駆け寄って来る。
その距離残り10メートル。

ビクッ!!
擬音が聞こえるぐらいの身体の硬直。
逃げ去りながら微かに聞こえた小さな泣き声。
「ウワァ〜ン・・・ママ〜・・・・

そうか・・・
「モヒカンライダー・X」は放送されて無いのか・・・・。


人に優しくゥ〜♪
してもらえない〜んだねぇ〜♪
僕が言ってやる♪頑張れって言ってやる〜・・・・・・♪


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