BACK MONTH →NEXT MONTH

+++3/11+++


何故、生活し生きていられるのか?
と、問われたら貴方は何と答えるだろうか?
人によって答は様々だろうが、何処の世界であろうともそれは、
許されているからに他ならない。

例えば車で行動を運転するには免許が必要だ。
つまり運転する事を許されなければならない。
居住や労働、出入国においても同じ事であって、
生活し生きていく為に必要なのは、
愛だとか金だとかよりも前に許される事。
それが大前提として必要だ。
決して神だとか仏だとかの話では無い。

神や仏の許しでは無くいったい何の許しが必要なのか?
誰もが知っているイエス・キリストの話をしようか。

キリストが本当に人類の罪を背負って処刑されたか?
死後、本当に復活したのだろうか?
それらの事はこの話においては重要じゃ無い。
問題は、何故キリストは磔にされ処刑されたのか?だ。
神が命じたのだろうか?
それは違う。
許されなかったからだ。
神に許されなかったからでは無い。
その時に許されなかったからだ。

もう一つ解り易い話をしようか。
アドルフ・ヒトラーは何故あそこまで虐殺を行えたのか?
それは許されていたからだ。
ヒトラーは画家として生きていく事は許されなかったが、
総統として君臨する事は許された。
それは何故だろうか?
答は簡単だ。
許される社会を創り上げたからだ。

キリストとヒトラー。
前者は許されざる者として処刑されたが、
死後には広範囲で許され続けている。
後者は許される社会が崩壊し自決したが、
死後には決して許されざる者となった。

もう、何に許される事が必要か解ったでしょう。
世から許される事が大前提として必要な事だ。
つまり、その時代・その社会・その人々・その環境が生み出す、
常識という枠組みの中で生きる事で許された者となる。

常識・慣習・規則・仕来
許されているならば生活し生きていけるだろう。
でも、許された者として生きていく為に何回殺されればいい?
許されて生きていくならば其処から先へは決して進めない。
先へ進む事が出来るのは、許されざる者だけだ。

許されざる者として死に
許される世界を広げていくのか?
許される世界を創り上げ
許されざる者として死ぬのか?

キリストは神から選ばれて先へ進んだが、
ヒトラーは自らが選ぶ事で先へと進んだ。

選ばれた記憶も無いし、選ばれたくも無い。
自らが選ぶ事で、許されざる者とされても、
俺は、創り上げ先へと進む。

THE UNFORGIVEN



+++3/30+++


その街には俺の店が在ったんだ。
前は取扱店が在るだけだと思ってた。
でも、そいつは間違いで俺の店が在った。
きっとそうだ。
眼には映らないけれど、
其処でも「REFUSE」って名前で。

あれは暑い夏の話だった。
俺の単車はまだポンコツのV型エンジンで悲鳴を上げてた。
首都高のヤローに熱い陽射しが喧嘩を仕掛けるから、
風は何時までも自分の本当の温度を忘れてるのさ。
そんな季節のちょっとしたトリップ。

前回の後に起った様々な事象や状況は、
一度は「もうヤラネー」って思うぐらいだった、俺。
知りたくも無い大人の事情ってヤツや余計な欲が、
幸せズラして喜んでるのを喜べない。
どうせ今回もそうなるんだろ。
幸せの金が成り響きその中で俺はただ平気なふりをする。
そう思ってた。

アンタがいなかったら「どうせヤルならとことんやろうじゃねぇか」
なんて思いもしなかっただろうよ、タイシ君。
アンタが「今回は任せるから頼むぜ」なんて言わなけりゃ、
もう少し楽したかもしれねぇよ、哲夫君。
アンタがいなかったら「主張と象徴」なんてテーマも、
薄っぺらくなっちまってたかもね、三池監督。
アンタに会わなかったら「不良の美学」なんて事、
そこまでこだわって創らなかったよ、高橋先生。

それにしても、あれは熱い夏の話だった。
イベントをこなしながらガレージを創って、
合間に台本を読んでキャラクター像を練る。
気晴らしに夜中の東宝スタジオでのスケボーも今じゃ笑い話。
忙しさを楽しんで笑うショートトリップ。

前回と今回の自分の役割・立場の違い。
クダラネー大人の事情に立ち向かう覚悟がねぇなら、
最初からやらなきゃいいだけの話。
とことんやって終わった2008年の夏。

季節が過ぎて、シングルピストンをキックスタートさせる日々。
完成した「クローズZERO2」を観た。

これを総合芸術と言うならば、あまりに不良な芸術だ。
でも、それだからいい。
そうでなけりゃ、エンドロールに「シルバーアクセクリエイター」
なんて名前を刻む気になんてならなかっただろう、俺。

架空の街は、色々な人達の想いが在って描かれてる。
俺はナイトラインを描いてる途中で少しだけ其処にトリップして、
ストーリーに必要な主張と象徴を創ったのさ。
だから、その街には俺の店が在ったんだ。
きっとそうだ。
眼には映らないけれど、想像すりゃあ解る。
其処でも「REFUSE」って名前で。
不良共を相手にLOUDなSTYLEを創ってるだろうよ、俺。



BACK MONTH
 →NEXT MONTH