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ま〜、アレですわ、俺。
「うまい棒」の明太子味と本物の明太子。
どっちを生まれてから先に食べたかって話になると、
実際のところ「覚えてない」って人が多いでしょうが、
多分で言うと本物の明太子が先って人が多いんじゃねぇかな。
駄菓子とか食わねぇ人の事は知ったこっちゃねぇし、
明太子嫌いならチーズ味と本物のチーズでもいんだけどよ。
各々のクオリアにどう訴えかけるかは知らんが、
明太子味と明太子は違うって事は事実な訳で、
「うまい棒」を食った事のある人なら、それはよく知ってますってな話だ。
でも、ソレってぇのは親とか駄菓子屋のオヤジ
(俺の地元:大島の駄菓子屋「ホリエ」の看板は『打菓子』ってなってた)
に明太子味と明太子の違いを説明されたから知ってるんでもなく、
物理的な話で物質構造がどうちゃらとかの実験でもなく、
ましてや、生まれついて脳の皺に刻み込まれてる訳でもない。
知ってる人は全員「うまい棒」の明太子味と本物の明太子食った事がある人。
ってな事になるんだよね、俺。
でもって、結局のところ何が言いてぇかってぇとな。
社会的なルールとかマナーとは別軸のところで、
個人の経験則によって生み出されてる基準値と常識ってのが在るって話。

例えば二十歳過ぎまで「うまい棒」を食った事無くて、
「ポテトチップス」の明太子味しか食った事が無いヤツが居たら、
ソイツの基準となる明太子味は「ポテトチップス」の明太子味になって、
「うまい棒」の明太子味は、どっか変な味がすると感じるかもしれん。
つまりは、ソイツの中に明太子味の常識が発生してるって事なんだが、
実は
明太子味と思って食ってたのが明太子風味だったらどうするよ?
言い方変えて
明太子テイストとか明太子フレーバーとかだったら?
どうする?どうすんの!?誰がその責任とって取締役辞任とかすんの?

・ ・・いや、違った・・・・・話が逸れたわ、俺。
梅雨の気候のせいて古傷が痛んだりしてっからだよな・・・。
おまけに仕事がアホみたいに詰め込まれて出張が重なってやがってる中、
デザイン描けだの、企画書出せだの、
           新作早よヤレだの、原稿出せだの・・・。

そんな中に在っても製産のスピード落とすなだの、
打ち合わせして、撮影して・・・
          アレがコレでコッチがアッチでガタガタで・・・

・ ・・・スマン。またもや話が逸れた、俺。
でっ、なんだっけ?明太子マヨネーズみてーな話だっけ?
そうそう、そーゆー事で経験則から生じる個人の基準値と常識の話ね。

だから、また何でそんな話になったかってぇとな、俺。
先日のREFUSE11周年の前日の深夜ってぇか早朝まだ薄暗い時、
作業に一区切り付け、いつものようにコンビニ迷子になりに行きました、俺。
でもって煙草とコーヒー、ビニール袋に入れてぶら下げて、
ブラブラブラっとな工房まで後5メートル。
背後から迫ってくるチャリの気配が一つ。
経験則から脳が弾き出す、なんとなく嫌な予感。
その直後、
「オイ!ニイちゃん!!」
あ〜、きた!きちゃったよ、俺。
ここんとこ暫く無かったから安心してたら来やがった。
久しく聞いてなかったこの声の掛け方。

「あ〜っ、何?」
メンドクセェなと思いながらも振り返ると其処に・・・・

天龍源一郎!?
いや、違った。チゲーんだけどプロレスラーの天龍源一郎みてーに、
ゴツい身体とパーマネントでチャリに跨がった男が、
まだ暗い時間だってのにサングラス越しにも怒りが伝わる表情でチャリに・・・
暗いだけに見方によっちゃあ、パーマネントとチャリが合体してるかの様だ。
そんなゴツいパーマネントチャリが怒り露に凄んでいる。
ここで、俺の経験から一瞬でいくつかの判断が為される。

1:声の掛け方から、明らかに喧嘩腰。
2:天龍源一郎本人及びその親族に友達はいない、俺。
3:暗いのにサングラス越しに怒りが伝わる友人はTAUJANの原さんで充分。
4:つまりメンドクセェけど、ヤルしかねぇ。

気持ちが戦闘態勢に入るには少し・・・いや、かなりゴツい相手だ。
そのゴツい天龍みてーのが俺に言う。

天龍「ニイちゃん!この辺で変なヤツ見なかった?」

俺「はぁ!?変なヤツ・・・?って、どんな?」

天龍「だから!
変なヤツいんだろ、オイ!!

あっ、この人は頭の弱いパーマネントチャリ(天龍)だ・・・。

俺「変なヤツってどんなんだよ?」

天龍
「だからいるだろ?放火とか痴漢とかするヤツだよ!!」

俺「いや、そんな知り合いいねーけど、俺」

天龍「知り合いとかじゃねーよ!!いるだろ
変なヤツ?」

パーマネントチャリの目線がサングラス越しでも俺を見ているのを感じる。
瞬きもせずに真っ直ぐに俺を。怒りを露に俺を。
興奮しながら変なヤツと言って俺を。
変なヤツ・・・俺・・・・・。

アッ!!つまり俺が変なヤツって言いたいのかコイツは?
意志を悟った俺を見逃さないかのようにパーマネントチャリが凄んでくる。

「なに?俺のこと言ってんのか?」

天龍「
お前か?テメーが変なヤツかコラァ!!

急にキレ出したパーマネントチャリ。お前のが充分に変なヤツだよ・・・・

俺「なんだ!?テメー文句あんなら最初から言えや。俺のドコが・・・・」

決まり文句が喧嘩のゴングと言うがゴングの最中に動いた
パーマネントチャリ
いきなり
パーマネントとチャリが分離!
コアファイター発進!!
じゃない、グフのヒートロッドみてーに片手でチャリをぶん回す。
危ねっ!!チャリを避ける、俺。一回、二回、三回。
避ける度、破壊音を上げて地面に叩き付けられるチャリ。

・ ・・・どーでもいいけどお前のチャリ、ボロッボロだぞ・・・・・・。

当たらないチャリに業を煮やしたパーマネントが凄む。
天龍「
テメーがヤッたんだろーがぁ!!!!

俺「・・・・・・・何を?」

天龍「何って・・・・・・放火・・とか?」

ヤベェ・・・・・何だ、コイツ?
最初、イカレタゴツいパーマネントチャリと喧嘩すんのは、
もんのスゲーメンドクセェし、片手でチャリ振り回してる時点でヤリたくねぇ。
と、思いましたが、俺。
何かちょっと、イカレ過ぎてて興味が湧いてきちまったので、
冷静に話しかけて様子を探る。

俺「どーでもいんだけどよ。お前はその変なヤツに何かされたんか?」

天龍「いや、俺が何かされた訳じゃないけど、単純に変なヤツを捜してる」

俺「はぁ!?何の為に?」
そう聞いた俺に対しサングラスを少しズラし目を見ながらパーチャリが言う。

天龍「訓練の為だ」

・ ・・馬鹿がいる・・・今、目の前に確実な馬鹿がいる。

円周率が「3.14うんたら」から「3でいいや」って教育されたどころか、
「2.8です」って教育されたんじゃなかろうかってぐらいの馬鹿が・・・。
そんでもって、よくよく話を聞いてみれば、
パーチャリの片手でチャリ振り回しちゃうゴツい身体も変なヤツ捜しも、
自分がやってる格闘術の為だそうで、喧嘩相手を捜してんだそーだ。

俺「そんなに喧嘩してーなら、その辺にたむろってるガキでも捜せば?」

天龍「そうなんだけど、最近のガキは逃げちゃうんだよね」
まー、そりゃそうだよな。天龍源一郎は嫌だよな・・・。俺も嫌だ。

俺「だったら、格闘技のジムとか行きゃあいいじゃん」

天龍「試合は仲間とやってるけど、そうじゃい戦闘がしてぇんだ」

俺「で、何で変なヤツ?」

天龍「痴漢とか放火する変なヤツならヤッても罪にならないだろ」

いや、もういいです、俺。
だ〜いぶ、お腹いっぱいになりました。もう勘弁して下さい。

天龍「だけどさぁ、なかなかそんな変なヤツいないからさぁ。
          とりあえず、気合いの入ってそうなヤツを捜してて、
               ニイちゃん見た時にコイツは!!って思ったんだよね」

いや、いいです。勘違いです。

天龍「でさぁ、ニイちゃんも喧嘩とかずいぶんしたでしょ?
       好きでしょそういうの?強くなりたいでしょ?どう、一緒にやらない?」

今更、強さとか追求してねぇし。
マズい・・・新興宗教の勧誘よりウザったい・・・・。

天龍「俺も、もう少ししたらカナダとか行っちゃうからさ。それまでどう?」

俺「へっ?なんでカナダ?」

パーマネント天龍チャリンコ君が語るには、カナダとかに行って、
傭兵部隊だとか、要人警護だのプロフェッショナルになるんだと。
その為に日夜、訓練に励み敵を求めて徘徊してると・・・耳が腐るぜ、俺。

結局、海外に行ってバウンサーになった俺の先輩の話だとか、
なんだかんだで勧誘されつつ30分ぐれー話し込んで、
さよなら、パーマネント天龍チャリンコ。
カナダの山で、グリズリーとの異種格闘戦にその技を活かしてくれ。

こうした経験から街の治安は、警察とか自治体とか以外に、
残念ながら頭のイカレタ人々によっても守られてるって知る、俺。
今度から、ゴツいイカレポンチに声掛けられたら、
お勤めご苦労様です!!
って敬礼して済ませよ。



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