2003
12月上旬
その日、俺は大阪に向かっていた。
友人のRAT GJO氏が大阪のMONDOさんでイベントを行うという事
なのだが…
年の瀬とあって多忙な上に忘年会とかが度重なる今日この頃の俺。
仕事が遅れがち、ネットの更新も遅れがち、業者の支払いも遅れがち、
とあって時間を作るのも一苦労。せめて大阪へ向かう新幹線の中ぐらいは
一人静かに窓から流れる景色を見て一息つきたいものだ。

だが、しかし!!
こういう時に限ってとなりの席のヤツがうるさい!
こっちは、仕事と忘年会で徹夜4連続だというのに。
「駅弁食べよぉ〜よ!景色もきれぇ〜だよぉ!」
ったく、うるせーんだよ
『デシ』!!

『デシ』!?(デフ・ブリード高橋の略)

なんで『デシ』と一緒に大阪に向かってんだ俺?
そうだ、あれは二日前のある会社の忘年会に出席した時だ。
仕事が忙しくて出席しねぇ〜でもい〜や〜ぐらいだった俺。
そこに一本の電話が鳴り響いた…
『デシ』
そこからだ!!
そこから忘年会、送別会で朝まで飲んで仕事して
次の日も飲んで飲んで仕事して…そのまま勢いで
「大阪行くか〜!!」って事になったんだ俺&デシ。
ヤバい、毎晩飲んでるじゃね〜か!!

…まぁ、いいや(俺は一滴も飲んでねぇ〜し)

しかし、この年末に彼女がいない男が二人。一緒に大阪行きの新幹線で
並んで駅弁喰ってるなんて、酷い光景だ。
そんな酷い状態で大阪に着いたのはもう18:30。
イベントは19:00まで。ギリギリ終了間際に滑り込んだが
滞在時間約20分。そのまま大阪の街を二人でさすらう事約30分。
大阪土産と駅弁『大阪ファンタジー弁当』買って
東京へと帰る事となった。

なんでこんなに時間が無いのか俺?
そりゃあ、きっと飲んでるからだ!!
『デシ』が!!
なんで、そんなに飲みにくるのか『デシ』?
そりゃあ、きっと寂しいからだ!!
俺も!!
俺達きっとみんなただの寂しがりや♪
そーだそーに違いない。

そんな寂しい『デシ』君も今月20日が誕生日。
俺はイベントで東京にいないので寂しい『デシ』君に、
みんなでいらない物を送ってあげて下さい。

〒136-0072 東京都江東区大島7-39-3-307
アッシュインターナショナル(有)『寂しい『デシ』君にプレゼント』係


まで。きっと喜ぶに違いない。いらない物ってどんな物か?
『大阪ファンタジー弁当』のようにまずい物とかそんなんだきっと。
そーだそーに違いない。

2003
12月中旬
そんな、ある日の俺。

その日は朝から忙しかった。
イベント『Junkie Strip』を控えてる事もあり、前日の徹夜作業から
続けてデザイン・企画の書類をまとめ、昼からは打ち合せ・商談と続き
「これも年末ゆえの多忙さ」
なんて自分を納得させる為の言葉を独りつぶやいた。
夜20時を過ぎた頃だった。
予定されいた打ち合せの場所に出向いた俺。
約束の時間よりも早く相手が指定したカフェに着いた為、デザイン画を
描きつつ、打ち合せの相手を待った。
「来年はもう少しデザインする時間を増やさないとな」
なんて自分のやっている事のもう一つの側面であるビジネスの部分を
計画的にしようと独り思いにふける。

そう、ビジネスと言えばアレだ。
俺の中ではビジネスに対して、もの凄く基本的ないくつかのマナーが
ある。いや、ビジネスと言うよりも人間として人と接する時のマナー。
その一つが
『人の眼を見て話をする』
そんな誰でも知っている事が以外と重要だったりする。
とにかく俺はそれを基本的なマナーにしているのだが。
そんな事を思いふけっているとカフェの入口が開き、打ち合せ相手が
やってきた。相手は、あるアパレル関係の人間で年の頃なら35と
いったところ。元々は知り合いに紹介されて、仕事を依頼したいとの事で打ち合せとなった。打ち合せ前から電話で仕事内容は聞いていたが
俺にとってはビジネス的な側面の話で、商品デザインや企画を
頼みたいとの事だ。

「お疲れ様です」
まずは軽い挨拶を交わす。
挨拶や時間を守るてっことも人としての基本的なマナーとして
習慣になっているのだろう。相手が席に着き、今回の仕事の話を始める
が!!
相手の眼を見ながら話が出来ない俺。
しかし、相手は話を続け、打ち合せは進む。俺も何とか話をするが
対応はしどろもどろ。内容はビジネス的にはとてもいい話だ。
が!!
やはり相手の眼を見ながら話が出来ない俺。
ヤバイ、マズイぞ俺。どうした、基本的な人としてのマナーも
守れないのか?日頃の疲れが出たのか?
しかし、相手はそんな俺の心中を知ってか知らずかひとしきり話を終え
俺の最終的な判断を迫る。俺の頭の中を気掛かりな一つの事が
グルグルと廻る。
相手は決断を迫る。

「で、どうですかね高蝶さん?」

俺は、ついに意を決して確信をついた言葉を返した。

「鼻毛出てますよ、左の穴から1本ピョロ〜って」

……このビジネスがうまくいったかいかないか、その辺はご想像に
お任せします。
が!!
俺の中の基本的なマナーがもう一つある。
『鼻毛の処理はしっかりしておけ』

2003
12月下旬
忘年会、忘年会と繰り返す日々で、一体全体ここ何年間を忘れ去ったのか俺!?この際だから仕事も何もかも忘れちまおう。
全てを忘れて無心になる。
…でも、それって記憶喪失と同じだな俺。
さて、全て忘れてしまう前にこの1年間でよく聞かれた『高蝶智樹』に関する誤解を解いておこう。

まず、『Ash INTERNATIONAL』これは、俺の会社じゃねぇ!!
よく誤解して社長と思う人がいるが、『高蝶社長』って言葉の並び的にも何か気持ち悪いだろ。
あっ…待てよ。
つぅ〜事は、もしサラリーマンやってても『高蝶部長』も『高蝶課長』
でも気持ち悪い。
じゃあ、アレだ!!
サラリーマンで出世したら、いきなり『高蝶専務』だ。
『部長 島耕作』もビックリだな俺。殉職した刑事でも、そうは追いつけない大躍進。
まいったなぁ〜さすがは俺。
『専務』つぅ〜とアレだな。
昼前ぐらいにリムジンで出社して、しかも入口まで赤いじゅうたんが
ゴロゴロゴロってひかれるワケだ。そんでもって会議という名の昼食会に出席、専務室に戻ったら秘書に対して
「君ぃ、お茶が熱いぞ!!昼食後のお茶は人肌で、
         といつも言っとるだろうが!!」

なんて、あられも無い文句を飛ばし、メンドくさい仕事は全て部下にやらせる。夕方になったら成績の悪い社員をいびり倒して
「君も家庭とかがあって大変だろうけど、今月一杯で…」
と言い「ポンッ」と肩をたたく。逆に成績の良い社員がいたら
「君も頑張ってくれてるみたいだけど、今は会社も苦しい
  時なんだ、残業代はカットでよ・ろ・し・く・」
と軽く言い放つ。夜になったら接待という名の飲み会に参加。
ギャバクラで真剣におネーちゃんを口説く。代金は全て経費で落とす。
月に一度は出張という名の海外旅行。自宅はプール付きのマンション、
白いメルセデス、最高の女とベッドでドン・ペリニヨン。
人生バラ色じゃぁ〜ん俺。
よし、来年からサラリーマンになろう!!




あっ・・・・ヤベェ、ヤベェ 
話が違う方向に行ってたよ、まぁ、忘年会のせいだろう。
でぇ〜何の話だったっけ。

・・・・・忘れた。

2003
12月末日
『一年間ご苦労様俺』
もぉ〜い〜くつねぇ〜るぅとぉ〜お正月ぅ〜♪

『いくつっていつだよ!!ハッキリ何日って
     言わんかい、言えんのかコラ!!』

「まぁまぁ、怒るなよ俺」

『そうだね、ゴメンよ俺。ところで正月は何してんの俺?』

「ん〜仕事の合間にビデオレンタル屋のエロビデオコーナーで
              エロビデオ物色してる奴等の観察」

『あ〜楽しそうだねぇ、一緒に行けないのが残念だよ俺』

「そうか、しっかり楽しんでくるよ俺」

『2004年は頼んだぜ俺』

「まかせとけよ。単車も戻ってきたし、全力で行かしてもらいます」

『 OK 、OK、Starting Very Fuckin' Year On Your Mark
                  Get Set are you Ready......』

「アバヨ、2003年の俺。来世でまた逢おう」





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