BACK MONTH →NEXT MONTH

+++8/17+++



THE SUMMER SUN THAT BLOW MY MIND
IS FALLIN' DOWN ON ALL THAT I'VE EVE KNOWN
IN TIME WE'LL KISS THE WORLD GOODBYE
FALLIN' DOWN ON ALL THAT I'VE EVER KNOWN...
IS ALL THAT I'VE EVER KNOWN

「THE UNFORGIVEN TRUTH」ってイベントをやろうと思った頃。
頭の中をいくつかの考えが巡ってた。
イベントってのを何の為に、どうして行うのか・・・。

去年あたりから「イベントやツアーをやるブランドが増えてきたなぁ・・・」
なんて事を思ったりしてたんだ、俺。
それが良い事だと思う反面で、懸念しちまうような部分もあったりする。
埋もれてく個と派生する固定観念。
簡潔に言うなればそんなところだろうか。

「THE UNFORGIVEN」に辿り着いた時、
上下にではなく、左右にでもなく、まして表裏にでもなく何かが他と別かれてしまった。
それを自分でも予感してたのか「SPEED SPECTER」を去年から始めた、俺。
何が別れたのか解らなくても、何故なのか理由はよく解ってる。
もう、誰かがリングに上がってくるのを待つ事が出来なかった。
其処に留まって自分に残された時間を浪費するなんて、
裁く間も無くあの世逝きと同じ事。

俺にとって、リアリズムの追求で始めたイベントやツアーが、
違う思想を持って行動する連中によって、
「ツアーをやるブランドの一つ」だとか「イベントで製作できるデザイナー」とか、
売り上げが良くなるからって販売店が喜ぶような、その程度の領域になったりする。
それが誰かにとって善い事か良い事か好い事か知らねぇが、
その領域に留まって偉そうな事を言い、
どうでもいい権利を主張する事が可能だったたとしても、
そいつは選択肢に上がりもしないぜ、俺。
そーゆーのがよけりゃ、その他大勢で分け合ってればいい。
でも、さぁ。
その他大勢になんかなりたくねぇから自分の旗掲げてブランドやってんじゃねぇの?
在る山登っても、てっぺんには旗が立ってて高さが知れてるけど、
自分で創る山は、自分次第でどこまでも高く出来るんだぜ。
誰かが創った道を進んでも、辿り着くのはすでに在る世界で、
自分で道を切り開かなくちゃ、自分の世界なんて構築出来やしねぇ。
それが解らない連中とは仕事する気になりゃしねぇ、俺。
故に、「RIDE THE LIGHTNING」ってイベントに全力で乗れなかった。

A DYING SCREAMING MAKES NO SOUND
CALLIN' OUT TO ALL THAT HAVE EVER KNOWN
HERE AM I, LOST AND FOUND...
CALLIN' OUT TO ALL

あれは、陽射しの強い日だった。
「THE UNFORGIVEN TRUTH」のイベントセッティングをしてた時、
皆で昼飯でも喰いに行こうかってな話になって、
俺がよく行くカレー屋に行く事になった。
REFUSEが存在する東京は江東区森下って街にはお薦めの食い物屋が4件。
何年も日本に居るのに日本語が上手くならない中国人の中華屋。
ソース変えただけで、ロシアとかフランスとかメキシコって言い張るハンバーグ屋。
メタル好きで、好きなバンドのライブの日には店を閉めるメタルお好み焼き屋。
そんでもって、インド人とネパール人のハーフの店員がナメた口きくカレー屋。
そのカレー屋に皆で昼飯喰いに行き、
相変わらずナメた感じの店員の接客受けながら昼食。
この店のカレーは確かに美味いんだが、
大山倍達の秘技「三年殺し」級のスパイスを隠し味にしてんじゃねぇかってぐらい、
喰ってから一時間以内に必ず腹が痛くなる、俺。
現在、ヤローばっかり五人のREFUSEは、そんなこと気にせず喰いまくってた。
イベント前で体調を気にしていたので、さしてカレーに手をつけず、
外の通りを見ながら煙草を燃焼させていたその時、俺の眼に映った光景。

何処の街でも店外ディスプレーとして本物の料理を置いている飲食店があるだろう。
このカレー屋も、そのタイプで店外のテーブルに料理が置かれてる。
その料理(カレーとナンのセット)に鳩が群がって貪り喰ってやがる。
その光景を見ながら、
食べるとお腹が痛くなっちゃうから・・・・・
そんな事を考えていた自分を恥じた、俺。

WE LIVE A DYING DREAM...
IF YOU KNOW WHAT I MEAN...
IT'S ALL THAT I'VE EVER KNOWN...
IT'S ALL THAT I'VE EVER KNOWN

イベントが無事に終了して数日が経った日。
製作作業の合間に気晴らしに散歩していると通り掛かった件のカレー屋前。
数日前感じた己の恥を解消する為に強烈なカレーでも喰ってやろうかと思った矢先。
入店しようと自動ドアのスイッチを押しかけた時、俺の眼に映った光景。
あの日、鳩共が貪っていたのと同じカレーとナンのセットディスプレー。
心の中から沸き立つ炎に従った、俺。

あんまりナメんじゃねぇ!
鳩に出来て俺に出来ん訳が無かろうが!!


咄嗟に掛かっていたサランラップを剥がし、カレーとナンを貪った。

その光景を見ていた店員が片言の日本語で俺に言った。
店員「ダメデスヨー、ソコニアルノタベルヨクナイカラ。タベルナラオカネヨー」

「うるせぇ!テメェ、鳩からは金貰ってねぇだろうが!!」

店員
「タベルナラナカデオーダーシテクダサイヨー。
                  アナタハトナイデショー」


「実は鳩だったらどうすんだ?オイ!
      テメェは鶴の恩返し読んだ事ねぇのか?」

店員
「シラナイヨー。
アナタハトダッタラ、インドジンモビックリネー」



・・・・・ぜってー、コイツ日本人ナメてるべ。
あまりに馬鹿馬鹿しくなったので、店員に20円払って、その場を後にした。
その日の夜。

急激に腹が痛くなり、体温が馬鹿みてーに上昇。
ついでに割れる様に痛くなった頭で考えてたんだ、俺。

そーだよな、ソコニアルノタベルヨクナイな、俺。
そーだよな、どー考えても鳩じゃねーもんな、俺。
そーだよな、鳩は空飛べても飛べねぇもんな、俺。


同じ様な事すりゃ其処に辿り着けるかっていやぁ、そんな簡単な訳ねぇ。
最初っから領域の違う存在なんだと理解してりゃ、其処に行きゃしねぇ。

CATCH THE WHEEL THAT BREAKS A BUTTERFLY
CRY THE RAIN THAT FILLS THE OCEAN WIDE
I TRIED TO TALK WITH GOD TO NO AVAIL
I CALLED HIM UP IN-AND-OUT OF NOWHERE
I SAID IF YOU WON'T SAVE ME
PLEASE DON'T WASTE MY TIME.....


+++8/31+++



何処から廻ってきた話だとか、誰に聞いたとかは今更どうでもいいが、
何ヶ月か前に最初は噂程度に聞いていた、俺。
少しして、その噂が事実だと知った時に何とも言えない感覚になった。
そして先日、現実として行われて益々どうとも言えない感覚になった。

株式会社インファス・パブリケーション発行の「STUDIO VOICE」が、
2009年8月6日発売号で休刊。

正直言って「!?、だから?」みたいな感覚の人も少なく無いと思う。
カルチャー誌を誰もが購読するかと問えば、答は間違い無くNOだ。
俺にしても毎号必ず購読してたかと問われれば、NOと答えるより手は無い。
過去、仕事で「STUDIO VOICE」に関わったのは2回だけ。
特に贔屓にしてもないし、されてもいない。
にしても何とも言えない感覚。

経営側の判断により休刊とあいなったそうだが、
平たく言えば広告が取れないか、雑誌が売れないかって理由だろう。

雑誌ってのは不思議なもんで、売れて無くても広告収益さえあれば続いていく。
逆に言えば、いくら売れてても広告収益が無ければ廃刊・休刊となる。
そのシステム自体がどうなの?
って話にもなるが、そいつは今回は置いとこう、俺。

日本を代表するカルチャー誌とも呼ばれた雑誌が休刊する。
社会には、どんな価値観の変化が?
何とも言えない感覚になった理由は、そこに対する自分の答が不明瞭だったからだ。
いや、正確には答はあれど、自分の答が自分にとっての不安要素だったから、俺。

どんな情報も、
「ゆ〜びさきひとっつでぇ〜♪ダウンロォォ〜ド♪」
ってなぐらいの現代社会で、印刷物に対する価値観が非常に下がっている。
常々そんな事を考えていたが「STUDIO VOICE」の休刊は、
そんな考えにプラスしてカルチャーに対する興味の減少を示している。
自分の中の答は、そう。
自分の価値観が社会全体の流れと今まで以上に大きくズレ始めてる。

正直言って「!?、だから?」ぐれぇの感覚しかないんだが、俺。
自分の趣味を苦労しながら楽しむのはメンドクセェのでごめんだ。
例えばどういう事かと言うと、
音楽をダウンロードして買わない、俺。
それはアルバムのジャケットも重要だからだ。
好きなアーティストのジャケットのアートワークが、
今日のデザインに間違い無く大きな影響を与えてくれた。
ガンズのジャケットからロバート・ウィリアムスを知り、
そこからローブローアートというカルチャーを知っていった。
紛れも無く印刷物の力が其処に介在した訳だ。

ところが、このままの時代の流れから、
音楽の販売はダウンロードのみとかになってみい。
その方が、楽だから、安いから、易いから、エコだから、だから?
利便性は同時に美しさも削減してるって考えを
持つ事すら無い社会になっていくのはどうにかしたいもんだぜ。
不器用でも通したい生き方ってのがあんだよ、俺。

そんな考えから「GHETTO FUEL」で、ポスターを製作するに到った。
印刷物の魅力ってヤツが、この先どうなるかは知らねぇが、
不安を誤魔化す為に口で語るばっかりで、
アクションを起こさないヤツにはなりたくねぇからよ、俺。
なぁ、現代社会。

で、現代社会で不器用な生き方してる中で先日、
旅の支度の一部ってなワケでパスポートの更新に行った。
最近のパスポートは、ICチップが内蔵されてるとかで、
気軽にポケットに突っ込んで曲げたり折ったりするんじゃねぇってな事。
あと50年もすりゃあ、体内にICチップ内蔵してくれんのか?現代社会。

そんな便利なんだか煩わしんだかのパスポートの申請中。
書類を提出し、自分の番号が呼ばれ、申請内容の確認カウンターに座る。

係の人「え〜っと、
タカハシ トモキさん」
俺「違います。
タカチョウです」
係の人「んっ!?えっ、あれ?ああ、そうかタカチョウか」

ここまではよくあります。
人生で何度か起る靴ヅレよりも多いくらいの回数でよくあります。

俺「カナがふってあんだから判るでしょ?ちゃんと書類見てますか?」
係の人「ああ、すいません」
俺「すみません。すいませんじゃなくて、すみませんだろ?」
係の人「・・・・・・・・・」

別に普段はあまり気にしない。むしろ突っ込まない。
何日間かの徹夜明けじゃなかったら、名前の間違いすらスルーしてたかもしれん。

係の人「え〜っと、緊急時の連絡先が空欄になってますが、御家族とかの連絡先を」
俺「家族いません(どっかで生きてるとは思うが)」
係の人「・・・・・え〜っと、じゃあ勤め先とかで構いませんので」
俺「勤め先ありません(株 HEATの社員じゃねぇし)」
係の人「・・・・・え〜っと、それなら友人とかでも」
俺「友人いません(これは嘘だけど)」
係の人「・・・・・・・・・・・」
沈黙が30秒程。
係の人「それなら、自宅の近所の方とかでも」
俺「自宅ありません(これは本当だけど)」
沈黙が更に30秒程。

困った係の人が、記載されてる現住所は家じゃ無いのかとか、
連絡とれる人はいないのかとか余計な事を聞いてくる。
聞かれながら疑問に思ったので聞き返した、俺。

俺「家族がいなくて、勤め先も無く、友人もいない、自宅が無いヤツは、
どうすんの?
係の人「・・・・・・
ん〜、どうしましょうね?

俺「
どうしましょうね?じゃ、ねぇだろ!!
そーゆーヤツだっているだろうが。
ネットカフェ難民だか何だか繁殖してる現代社会で、
そんぐらいの対応出来て無くてどうすんだ、
ボケッ!!
派遣切りとか喰らって、ネットカフェ難民になったヤツが、
一発逆転アメリカンドリームでも手にしてやろうかって時に、
たかが緊急時の連絡先が無ぇぐらいで出端挫くってのかぃ?
I Cチップ内臓とか現代社会に合わせて便利にする前に、
自国の社会情勢鑑みたシステムにしとけ!!」

・・・・別にどーでも良かったんだけどよ、俺。
余計な事聞きやがるもんだから、ついつい余計な事を。
結局、パスポートの申請は通り、
後日、朝一の誰も待ちがいない受け取りカウンター。

係の人「え〜、
タカハシさーん。タカハシ トモキさぁ〜ん

・・・・・・いっその事、テロでも起こして変えてやろうか現代社会。



BACK MONTH →NEXT MONTH