2006
1月上旬
2006年。
「YEAR OF THE 俺」

そう、つまり俺の年だ。
理由?
理由なんかねぇよ。

だって毎年そう思ってるからよ。
男ならそんぐらいの思い込みだけで、
周囲から勘違いヤロー丸出し、ファッキン・グレート・ジャパニーズ。

「一年の計は元旦にあり」

何処のドイツ軍も鉄十字。
じゃ、なかった何処のどいつが言ったか知らんが
という事はつまり

「一年の答えは大晦日にあり」

って事で間違いねぇんだろうな。

2005年の大晦日、すなわち12月31日の俺。
4日徹夜の後に早朝から10時間かけてカレーを作ってた。


……って事は2005年はカレーだったって事か?俺。

しかも、そのカレーが正月過ぎても余ってるから
隅田川在住の諸事情により家が無くなった人々に配ってたって事は、
2006年はカレー救生軍とかになるのか?REFUSE。
って事は救生軍も鉄十字。


……ちょっといいかも。

いやいやいや、いかんいかん、えーえーえー。
今年もやりますよ。もう、いいだろってぐらいに。
悪魔と踊るのがどれだけ凄ぇか、
テメーの目で確かめな。

2006
1月中旬
あのさぁ……。

今更なんだけど、ちょっといい?
例えダメだと言っても止められないから、いいでしょ別に。
確かクリスマスって時にはサンタクロースが寝てる間に
プレゼントを枕元に置いてくって話。
そんな話があったよね?
サンタクロースは倒しといたから別にいいんだけど俺。
枕が無い子供ってどうなんだろうね?
そんな子供いるのかって?
俺だよ、俺。
お前は子供じゃねぇだろって?
フッハハハハハハッ!!

クリスマスプレゼントなんてありゃしなかったよ。
だいたい子供と大人ってドコで分けんだ?
成人式やりゃ大人なのか?
「ハイ、あなた今日から新成人」
ウッ
ハハハハハハッ!!

成人式なんて前日に呑み過ぎて出てねぇよ。
って事はまだ未成人かな、俺。

いや、違った。話のポイントはソコじゃなかった。
重要なのは寝てる間ってトコだ。
相も変わらず家なき生活ビバ・ブラボーですが、
そんな中で寝るといえばREFUSEの椅子か、
アッシュの事務所のソファ。
この事務所のソファってのが、固くてボロくて、
更に雑誌と漫画と服に埋もれた、畳一枚にも満たないスペースなんだが
事務所で朝までデザイン等の仕事をするとここで軽めに睡眠。
そして昼頃起きると眼の前に



ヤキソバパン!!


誰がどうとか、俺が頼んだとかでもなく
ヤキソバパン!!

そう、寝てる間に何故か用意される俺。
書き置きとか、起きた俺に誰か何か言うとかもなく
ヤキソバパン!!

毎回毎回
ヤキソバパン!!ヤキソバパン!!ヤキソバパン!!
ヤキソバパン!!ヤキソバパン!!ヤキソバパン!!
ヤキソバパン!!ヤキソバパン!!
たまにナポリタンロール!!ヤキソバパン!!

最近じゃあ、パブロフの犬みてーに事務所で起きたらヤキソバパンに
ガッつく俺。
ひょっとしたら夢遊病みてーにコンビニにヤキソバパンを
買いに行っているのか?




危険だ!!


ただでさえ、コンビニ迷子っていう持病があるのに
ヤキソバパン症候群なんかにまでなってたら…。
どうする?
どうする?どうする?
どうする、俺?





あっ…………コンビニエントなヤキソバパン専門店やればいいか。
じゃー、そんなに悩む事もねぇや。
問題解決万々歳っと。

2006
1月下旬
深夜のコンビニ。
それは、あたかも飽食の時代を示すかのごとき様。
ダラけるバイター、ドロドロおでん。
ダラけたスウェット、ヤンキーカップル。
この暗礁に乗り上げた箱舟を救うのは?
そう、
「リーダー」。

男と生まれたからには一度は夢見る立場。
「店長」?「マネージャー」?「研修生」?
バカヤロォォォ!!
ルールは俺だ!そう、「リーダー」。

普通の店長が名札に名前を書き記すところ、
そのような軟弱な振る舞い許すまじ、
その胸に示すはただ一つ!!
そう、
「リーダー」。

…少なくとも俺の通うコンビニでは。

ある日の事だ、いつものごとくコンビニ迷子は
コンビニという名の闇でもがく、俺。
「缶ヒー」等を求めてコンビニ店内をうろつく俺の目に
オールバックでバッチリ決めた頭も艶やかに、
タイトなブラックデニムにエンジニア、キーホルダーをジャラつかせ、
颯爽と動く足。しかし、上半身はお決まりストライプの制服。
そう、「リーダー」が映った。
軽快な足取りで新入荷の雑誌を運び、
手慣れたカッターさばきで包装を解く。
しかし、すでにレジで会計を待つ俺には気付かない。
『リーダー』?
人間誰しも忙しさの中で周囲が見えない事はよくある。
しかし、男にとって職場は戦場、
一瞬の油断が命取りとなるはず、気付かないのか、
『リーダー』?
そう思ったとたんに自分の甘さを知る事になった俺。
屈強な戦士にとってはたかだか一人の敵になど目もくれぬ。
当然のごとく並べた雑誌を座り込んで読んでいる。
『リーダー』?
一体、彼程の実力者が敵も意に介さず読む雑誌とは?
好奇心に負け手にする雑誌へと目を凝らす。
そこにデカく刷られた文字
「巨乳特選DX」
『リッ…リーダーァ?』
いや、すぐさまその行動を責めるまい。
戦場においてまでも、子孫繁栄の術を学ばんとするその姿。
まして、エロ本立ち読み防止のシールなど
目にも入らない、気にしない。
男だ!!彼こそ「the MAN」だ!!
いや違う、そう彼は

『リーダー』

頭の中で散々、思いを巡らせた俺。
さすがに「缶ヒー」も冷めるので一言発する
『オイッ』
とっさに雑誌を閉じ、何気ない顔で機敏な動き、
読み取るバーコードから導き出される数字
「2020円」
親切なようで、自己中心的な支払い
「10020円」
素早い対応で札を数え歴戦の勇者は声を発した。

「8000円度お返しです」







リィィダァァァ~~~~!!!

2006
1月末日
Lifestyle Determines Deathstyle

Do I have the STRENGTH
to know how I'll GO ?
Can I find it INSIDE
to deal with what I shouldn't know ?


灰色の街にいつかは染まってしまう。
何万もの言葉よりも大切な景色を忘れた時に。
76年式のエンジンが、2003年リミッターを失って。
加速し続けるスピードを、止めるブレーキ2006年に去る。

鈴木孝則って男は大きなブレーキだった。
別の角度、別の思考で、違う答を導き出す。
だから、知っていた、他の誰よりも知っていた。
それを解っていた、他の誰よりも解っていた。
同じスピードの中で見ていた景色が、
いつまでも続かないって事。
夜の闇の中、路上で吹かしたタバコ。
それぞれがいつか見るべき景色。
それを知っていた。解っていた。
感情があって、寂しさや悲しみはその一部分だから、
涙が溢れるはずは無い。
涙が溢れる
はずは無い
いつか、その景色を見るまでは。

Lifestyle Determines Deathstyle

見つめる目の前を 顔そむけるな
今こそ この世に生きる意味を





(C)HEAT Co,. Ltd. ALL RIGHTS RESERVED.
掲載商品画像等の無断使用を禁止する